※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれています。
「大規模修繕の工事が近いけれど、その前に売ったほうがいい?」「一時金を払えないから売却も考えている」──マンションの売却相談で、とても多いテーマです。
私はマンション管理を経て、現在は外壁塗装や防水工事など大規模修繕の現場に携わっています。工事の中身とお金の流れの両方を知る立場から、修繕前と修繕後、どちらで売るべきかの判断基準を解説します。
そもそも大規模修繕とは
大規模修繕は、外壁の塗装やタイル補修、屋上・バルコニーの防水、鉄部の塗装などを、足場を組んでまとめて行う工事です。12〜15年程度の周期で行うのが一般的で、工事期間は建物の規模にもよりますが数か月かかります。

大規模修繕で行われる主な工事
一口に大規模修繕といっても、工事の内容は多岐にわたります。売却を考えるうえでも、「何を直したのか」を知っておくと、買主への説明がしやすくなります。
| 工事の種類 | 主な内容 | 買主へのアピールポイント |
|---|---|---|
| 外壁塗装・補修 | ひび割れ補修、塗り替え、タイルの浮き補修 | 外観がきれいになり、雨水の侵入を防げる |
| 屋上・バルコニー防水 | 防水層の更新 | 雨漏りのリスクが下がる |
| シーリング工事 | 窓まわりや外壁の目地の打ち替え | 水の侵入を防ぎ、建物を長持ちさせる |
| 鉄部塗装 | 手すり・扉・階段などのさび止め・塗装 | 見た目と耐久性の向上 |
| 共用部の改修 | 廊下・階段の床、照明のLED化など | 住み心地と印象の改善 |
修繕の内容は、管理組合の総会資料や工事の完了報告書で確認できます。売却の際は、これらの資料を不動産会社に渡しておくと、販売活動で活用してもらいやすくなります。
修繕前に売る場合・修繕後に売る場合の違い

修繕前に売るメリット・注意点
一時金の徴収や積立金の値上げが決まる前に手放せるのが最大のメリットです。一方で、外壁の汚れやひび割れ、鉄部のさびなどが目に見えるため、内覧時の印象は修繕後に比べて劣ります。また、近く修繕予定があることは重要事項調査報告書で買主に伝わるため、価格交渉の材料にされることもあります。
修繕後に売るメリット・注意点
外観がきれいになり、「大規模修繕済み」は買主にとって大きな安心材料です。ただし、工事で修繕積立金を使っているため残高は減っています。一時金を負担した場合は、その費用を売却価格に上乗せできるとは限りません。
工事中の売却は難しい?
足場とメッシュシートで建物が覆われている期間は、外観や眺望、日当たりが確認しにくく、ベランダも使えないことが多いため、内覧の印象は悪くなりがちです。工事中は「売れにくい時期」と考えて、売り出しのタイミングをずらすのも一つの方法です。どうしても工事中に売る場合は、工事の完了時期や修繕内容を資料で説明できるようにしておきましょう。
一時金を払えない場合はどうなる?
積立金が足りず、大規模修繕のために一時金の徴収が総会で決まった場合、区分所有者は原則として支払う必要があります。払えないからといって放置すると、滞納として扱われます。滞納した管理費や修繕積立金は、売却後も新しい所有者に請求できる仕組みになっているため、売却時には精算が必要です。
一時金が決議された後に売る場合、売主と買主のどちらが負担するかは売買契約で取り決めます。不動産会社と早めに相談しておきましょう。
✅ ポイント
一時金や値上げの予定がある物件こそ、複数の不動産会社に査定を依頼して、修繕予定を踏まえた価格を比べることが大切です。
修繕のプロがすすめる判断基準
| こんな場合は | おすすめ |
|---|---|
| 一時金や大幅な値上げが負担で、早く手放したい | 修繕前の売却を検討 |
| 外観の劣化がひどく、内覧の印象が悪い | 修繕後の売却を検討 |
| 工事がすでに始まっている | 完了後に売り出すのが無難 |
| 相場が上がっていて、売り時を逃したくない | 修繕予定を説明できる資料をそろえて売り出す |
どちらが得かは、物件の状態、一時金の額、相場の動きによって変わります。まずは「今売ったらいくらか」「修繕後ならいくらか」を、不動産会社に相談して比べてみるのがおすすめです。
修繕の「質」も売却価格に影響する
買主や不動産会社は「修繕したかどうか」だけでなく、「きちんと修繕されているか」も見ています。現場で働いていると、同じ大規模修繕でも仕上がりや耐久性に差が出ることを実感します。
- 下地のひび割れ補修をしっかり行っているか
- シーリングを「増し打ち」ではなく「打ち替え」しているか
- 塗料のグレードや塗り回数が仕様どおりか
- 工事後の保証期間と、定期点検の予定があるか
こうした情報は、工事の仕様書や保証書に記載されています。「どの会社が、どんな仕様で、いつ工事したか」を説明できる物件は、買主に安心感を与えます。修繕後に売却する場合は、これらの資料もそろえておきましょう。
売却を決めたら、まずやるべき3つのこと
大規模修繕のタイミングに関係なく、売却を考え始めたら次の3つから始めるのがおすすめです。
1. 修繕関連の資料を集める
長期修繕計画、直近の総会議事録、修繕履歴、工事の仕様書・保証書など、手元にある資料を集めます。手元にない場合は、管理会社に問い合わせれば入手できることが多いです。
2. 一時金・値上げの予定を確認する
次の総会で一時金や積立金の値上げが議題になっていないかを確認します。これは売却時期の判断に直結します。
3. 複数の不動産会社に査定を依頼する
修繕予定を踏まえた価格は、不動産会社によって見方が分かれることがあります。1社だけでなく複数社に査定を依頼し、価格の根拠を比較しましょう。修繕の予定や状況をきちんと理解したうえで査定してくれる会社を選ぶことが、納得のいく売却への近道です。
内覧で買主から聞かれやすい質問と、答え方のコツ
大規模修繕の前後に売り出すと、内覧で修繕に関する質問を受けることがよくあります。あらかじめ答えを準備しておくと、買主の不安を減らし、スムーズな成約につながります。
| よくある質問 | 答え方のコツ |
|---|---|
| 次の大規模修繕はいつですか? | 長期修繕計画を見せながら、予定時期と工事内容を説明する |
| 一時金を払う予定はありますか? | 総会の決議状況を正直に伝える。未定なら「議題になっていない」と事実を伝える |
| 修繕積立金は今後上がりますか? | 長期修繕計画の増額スケジュールを示す |
| 雨漏りなどのトラブルはありましたか? | 知っている不具合は隠さず伝える(契約不適合責任のリスクを避けるため) |
| 前回の修繕では何をしましたか? | 工事の完了報告書や仕様書をもとに、主な工事内容を説明する |
ポイントは、わからないことを曖昧に答えず、資料で示すことです。売主自身が答えにくい内容は、不動産会社の担当者から説明してもらうのも一つの方法です。管理の状態を正直に伝えることは、結果的に買主からの信頼につながります。
よくある質問
Q. 大規模修繕の工事中でも売却はできますか?
A. 売却自体は可能です。ただし、足場やシートで外観や眺望が確認しにくく、ベランダも使えないことが多いため、内覧の印象は悪くなりがちです。完了時期を確認し、可能であれば工事後に売り出すのがおすすめです。
Q. 大規模修繕の一時金が決まった後に売る場合、誰が払いますか?
A. 売主と買主のどちらが負担するかは、売買契約で取り決めます。一般的には、決議の時期や支払い期日を踏まえて調整します。トラブルを避けるため、不動産会社に早めに相談しましょう。
Q. 修繕積立金を滞納したまま売却できますか?
A. 滞納分は新しい所有者に請求される可能性があるため、通常は売却代金から精算します。滞納があると買主に敬遠されやすいので、できるだけ早く解消しておくことが大切です。
Q. 大規模修繕をしたばかりの物件は高く売れますか?
A. 外観がきれいで「修繕済み」をアピールできるため、印象は良くなります。ただし、修繕費を全額上乗せできるわけではなく、価格は立地や相場の影響も大きく受けます。
Q. 次の大規模修繕まで何年くらいあれば安心ですか?
A. 一概には言えませんが、直近で修繕が終わっている物件は、しばらく大きな工事の予定がないため買主に好まれやすい傾向があります。修繕予定の時期は長期修繕計画で確認できます。
まとめ
- 大規模修繕は12〜15年程度の周期で、数か月かけて行う工事
- 修繕前の売却は一時金・値上げの前に手放せるが、見た目の印象は劣る
- 修繕後は外観がきれいで「修繕済み」をアピールできる
- 工事中は売れにくい時期。一時金の負担は売買契約で取り決める
- 修繕予定を踏まえて、複数社の査定で比較する


コメント